春は野菜を植える時期でもあります。
野菜を植える前には、畑を耕して、草を除去して、小石も除去して、畝を立てて・・・と準備が大変です。
しかし、この準備作業が野菜作りをするのにとても大事なことです!
しっかり耕して、ふかふかの土にして、栄養たっぷりの良い土にして、美味しい野菜を収穫したいですよね。
我が家でも、頑張って鍬で耕してました。
根野菜のためにも30cm以上深めに耕して、ふかふかの土にしようと鍬を振っておりました。
カキン!
大きな音が響き渡り、幸いにも鍬は無事。何かが鍬に当たったのです。
これが小判が入っていた壺とかなら良かったのですが、残念ながらそうではなく・・・。
当たった周りを掘り返して、出てきたのがこれです。
小石どころの大きさじゃないですね。
石です。
石と言うよりも、岩ぐらいの大きさです。
ゴロゴロと出てきました。
石が出てくる、出てくる。
ここの場所だけでも4時間くらいかかって耕しました。
結構な数。これでもまだ埋まっているんじゃないかな。
元々、田んぼだった土地で、跡継ぎがおらず、しばらく放置され荒れ果てた土地を耕して畑にしたのが、今家庭菜園をしている土地です。
長年田んぼだったためか、土壌も粘土状の土で、石や岩ができやすいのだと思います。
他の場所でも同じように岩や石が出てきました。
それでもなんとか野菜は育ってくれていたのですが、さすがにこれは土壌改良が必要と判断し、色々と検索し、勉強もしました。
- 畑に石が多い
- どうしたらいいのか分からない
とお悩みの方にも知識を共有できたらなとここでご紹介させて頂きます。
畑に石が多いなら土壌改良が必要!
野菜を植える前はまず土壌作りから始めます。
その土壌作りが大切だと色んな家庭菜園の本とかに書いてあると思います。
何故、大切なのか。
- 野菜が元気にすくすく育たない
- 病気になりがち
- 根野菜だと根が深くまで行かない。変形してしまう
せっかく育てた野菜がひょろひょろだとがっかりですよね。
また育てている最中に病気に掛かって枯れてしまった・・・。なんてことになったら悲しいですよね。
さらに、大根や人参などの根野菜も太く、長く伸びないのなら、やはりそれは土壌の問題と言えます。
根野菜は地中に向かってまっすぐ伸びる野菜です。
土が固く、中に石や岩があるとまっすぐ伸びるのが難しく、伸び悩んだり、変形してしまいます。
また太くならないのは、土に養分が足りてないからです。

元気で健康な野菜を育てるには、やはりしっかりとした土作りが大切なんです!
基本の土づくり
基本的な土づくりの順番はこうです。
- 土を掘り起こす
- 耕して土を細かくする
- 石灰を撒く
- 堆肥・肥料を入れる
- 畝立て
土を掘り起こす前に、土の酸度を調べて、家庭菜園をしたい土地の酸度を調べて知っておいた方がいいです。
植える予定の野菜よりも酸度が高いようなら、石灰を撒いて中和させ、野菜に適正な弱酸性~中性の土に仕上げます。
日本は雨が多いので、だいたい酸性に傾いていることが多いです。土地によって違いますが、家庭菜園をしようとする土地がどれくらいの酸度なのかを知っておく方が、石灰を撒く量とかも正確に分かってくるので、調べておきましょう。
そんなに値段高くないですよ!
今回問題になった石や岩がゴロゴロ出てきたのが、1番最初の土を掘り起こす作業をしている時でした。
小石も含め、石は元気な野菜作りの妨げになるので、可能な限り取り除いていきます。
根気のいる作業ですが、1個1個石を除去していきましょう。
畑に石が多いなら、取り除くだけでなく、土壌改良が必要になってきます。
3や4に出てくる石灰や堆肥が、土壌改良にも必要な材料になってきます!
土を掘り起こし、石があれば除去して、土を細かく耕した後は、石灰を撒き、2週間後に肥料を撒きます。
この石灰と肥料を撒く作業が土壌改良の作業となります。
土壌改良に必要な材料
土の通気性や保水性をよくしたり、微生物を増やしたりするための材料が土壌改良材です。

気持ち悪いと嫌われがちなミミズですが、耕していて土の中からミミズを発見するのは、実は良いことなんです。
ミミズが住んでいるということは、その土は良い土という証明にもなります。
今回の問題の場所の土の中には、ミミズは一匹もいませんでした。
微生物は良い土にしてくれる役割があるので、ミミズが住んでくれるような土壌にしたいですね。
土壌改良材の種類
植物由来の土壌改良材 | 腐葉土、パーク堆肥、ピートモス、もみ殻くん炭 |
動物由来の土壌改良材 | 牛糞堆肥、鶏糞堆肥、豚糞堆肥 |
鉱物由来の土壌改良材 | パーミキュライト、ゼオライト、パーライト |
役割
- 植物由来の土壌改良材:土をふかふかにして、通気性・排水性・保水性をよくしてくれる。
- 動物由来の土壌改良材:肥料分が多い。植物の三大要素(窒素・リン酸・カリ)を多く含んでいる。
- 鉱物由来の土壌改良材:通気性・排水性・保水性をよくする。育苗用土にも使われるものもある。
土壌改良材の使い方
使い方はとっても簡単!
耕した土の中に入れてしっかり混ぜるだけです。
この時、草や前に植えていた野菜の根、石があれば取り除いておきます。
深くしっかりと耕してから、土壌改良材を投入します。

ここで注意!
土壌改良材は野菜を植える2週間以上前に行いましょう!
野菜の苗が濃すぎる肥料に負けて、病気になったり、枯れてしまったりするので、期間は必ず開けるようにしましょう!
野菜の種を買った時に、パッケージの裏にも書いてあります。
それを見ながらやるのが1番ですね。
石灰を撒いた場合は、堆肥を撒くのも期間を少し開けた方がいいです。
今回実践した土壌改良
今回使った土壌改良材はこれです。
1つ目は「有機石灰」
実は、「石灰」も土壌改良材と言ってもいい材料です。
土づくりの基本のところでも書きましたが、耕した後に「石灰」を撒いて、期間を開け、その後に堆肥を入れる、という順番になります。
この「石灰」ですが、酸性になった土壌を中和させる役割を持つことは述べました。
「石灰」を撒く目的のほとんどが、中和のためです。
ですが、今回は土壌の通気性や排水性を高める目的で「石灰」を使いました。

ここでポイントなのが、使った石灰の種類。
通気性や排水性を高める目的で使った石灰の種類は、「有機石灰」です。
「石灰」にも種類があります。
消石灰 | 酸性度が高くなってしまった土壌改良や土壌消毒に使われる。 |
苦土石灰 |
作物の根を強くする。 葉の緑色の元となる葉緑素の形成促進効果がある(葉が黄色くなる場合に撒くといい) |
有機石灰 | 中和だけでなく、土壌の通気性・排水性を高める |
「石灰」も目的に応じて使い分けるといいでしょう。
今回だけでなく、よく使用するこの「有機石灰」は、他の石灰に比べて値段が高めにはなってしまいますが、今回のように石や岩が多い土壌を改良し、通気性や排水性を高めたい時に使えます。
さらに、「有機石灰」の特長は、他の石灰に比べ効果が緩やかなので、土壌に入れるタイミングや順番を気にすることなく使えるという点です!
通常なら石灰を撒いたあと1週間以上の期間を開けなければならないところ、この商品のように期間を開けることなく、すぐに作物を植えることもできます。
扱いやすくて、家庭菜園初心者の方にもおすすめの商品です。
少量で使いたい場合や、使い分け用であれば、1kgのものもあります。
2つ目は「腐葉土」
落ち葉は土にいいと聞いたことはありませんか?
まさしくその通りなんです。
腐葉土は、落ち葉を集めて発酵させて作られたものです。
土の中にこの腐葉土を入れることで、微生物が増え、排水性の良い、ふかふかの土にしてくれます。
3つ目は「堆肥」
腐葉土は堆肥に比べて肥料分が少ないため、「堆肥」も追加しました。
これで土壌が改良され、野菜が元気に育ってくれることを期待します。
ここまで紹介してきた実践方法は、期間を開けることと、すぐに土壌改良の効果が出ません。
そんなに待てない、すぐに植えたいという方は、こんな商品もあるので、使ってみて下さい。
この商品を撒くだけで、土を柔らかくし、野菜を育てやすくする土に甦らせてくれます。
撒く前に、石灰を使用することもできます。
すぐに植え付けができるようですが、土に混ぜた後、水で湿らせて、1週間ほどなじませてから植え付けをする方がより効果的です。
堆肥は自分で作ることもできる
これはかなり時間に余裕がある方は試して下さい。
実は、堆肥や腐葉土は自分で作ることもできます。
時間は掛かりますが・・・。
他の場所で、かなりガチガチな土でやはり少し掘れば石や岩に当たる、という場所があります。
そこでの野菜作りは現在諦め、時間をかけて土壌改良をしようとしています。
結構広めの畑なので、あまり費用を掛けずにやってみたいなという気持ちで始めてます。
土壌改良で色々検索していて、実は「堆肥」や「腐葉土」は自分で作ることもできることを知りました。
「腐葉土」は落ち葉を集めて、「堆肥」は生ごみを集めて作ります。
家の周辺に木がないのと、時季的に落ち葉を集めるのが難しかったため、現在実践しているのは「生ごみ」を使って堆肥を作ることです。
作り方は「腐葉土」も「堆肥」もそう変わりません。

畑に生ごみを撒くと肥料になると聞いたことはありませんか?
昔、生ごみを畑にばら撒いてました。
畑の土の上に、生ごみが散乱しているのをよく見かけたのですが、肥料にするためだったんですね。
ですが、長い時間をかけて分解されていずれは肥料になるのかもしれませんが、ただ畑に撒くだけではあまり効果がないんです。
土の中に入れないと分解しにくいので・・・。
コンポストを置いている農家の方も多いと思います。
これ昔は何なのかよく知らずにこの中にも生ごみとか給食で残したパンとかをこっそり入れてたりとかしていたのですが、このコンポストが堆肥を作るための器具だったんです。
でも、コンポストって結構な値段しますよね。
身近な物を使って同じように生ごみから堆肥を作ることができるんです。
コンポスト代わりに利用できる物
- 段ボール
- 牛乳パック
- 蓋つきのプラスチック容器
など、密閉できるものなら何でもいいです。
私は牛乳パックを使ってます。
毎週1本は牛乳パックを消費するので、それを再利用しています。
段ボールに比べて少量しか入りませんが、段ボールに牛乳パックを並べて、外で保管しています。
持ち運びにも牛乳パックの方が便利なので。
堆肥の作り方
コンポストに入れて堆肥を作る
今回は見えやすいようにビニール袋を使用しました。
必要な材料
- 生ごみ
- 土
- 米ぬか
手順
1.下処理
- 野菜は細かく切っておく
- 水気はある程度切っておく
適当に全部入れればいいというわけにはいきません。生ごみの中でも、分解しやすいものとしにくい物があります。
さらに水気を切らないと悪臭の原因にもなります。
堆肥になるまで時間が掛かるものなので、悪臭が長く続くのは嫌ですよね。

ごみはしっかり分別しておくのも大事です。
我が家でもやる人がいるのですが、生ごみを捨てる三角コーナーにビニール袋や割りばし、爪楊枝も一緒に捨てられていることがあるので、生ごみ以外は取り除きます。
【分解されやすい生ごみ】
- 炊いたごはん
- 野菜・果物(皮など硬いものは逆に分解されにくい)
- 卵の殻
- 魚・肉(骨は分解されにくい)
- パン・麺
それ以外は駄目というわけではありませんが、分解されにくいので、時間は掛かります。
もし、できるだけ早く分解をさせて堆肥にしたいのなら、分解されやすい生ごみだけ残すのがいいと思います。
2.コンポストに入れる
分別・下処理した生ごみをコンポストに入れます。
水気をたっぷり含み過ぎもよくないのですが、乾きすぎもよくありません。
しっとりと濡れてるくらいがちょうどいいです。
3.土を入れる
生ごみの上に土を入れます。
土を入れることで防臭になり、堆肥化しやすくなります。
水分が多いようなら土は多めに入れます。
4.米ぬかを入れる
あればで構いません。
米ぬかは発酵を促し、堆肥化を早めてくれます。
よく漬物を作る時に使われますよね。
そんな感じの要領で生ごみを発酵させてくれます。
また、畑に撒くと養分になり、土壌改良効果もあるのですが、直接撒いてしまうと、米ぬかの栄養を狙って猪などの害獣が寄ってくるという難点もあるので、直接畑に撒くときは注意して下さい。
あと撒き過ぎもよくないです。
米ぬかは土よりも少なめに入れます。
5.よくかき混ぜる
入れたら中身をよくかき混ぜます。
混ぜることで堆肥化を促します。
半月に1度くらいの頻度で中身をかき混ぜると発酵の効率がよくなるので、定期的にかき混ぜましょう。
6.放置
定期的に中身をかき混ぜる以外は密閉して放置します。
発酵されたような臭いがし始めたら、堆肥化が進んできていると思って下さい。
1~2か月ぐらいで熟成されます。
土の中に中に直接入れて堆肥を作る方法
畑の面積や場所に余裕がある場合は、畑に穴を掘って、そこに生ごみを入れて堆肥を作る方法もあります。
プランターでもできます。
土の中にいる微生物に生ごみを分解してもらう方法です。
やり方は簡単。
さっきとほぼ同じです。
1.畑に穴を掘る
日当たりの良い場所に、深さ20cmくらいの穴を掘ります。
2.生ごみを投入
先ほどと同じように、割り箸や爪楊枝、ビニール袋など、生ごみではないものは取り除いておきましょう。
掘った穴の中に生ごみを入れます。
水気は切らなくてもいいです。
畑なので土が多く、土が水分を吸収してくれるのと、ある程度水分がある方が部生物が活性化しやすいです。
3.土を被せ、よくかき混ぜる
生ごみの上に土を被せ、生ごみと土をよく混ぜます。
少量の米ぬかを投入してもいいです。
4.放置
夏なら早くて5日程度で分解されます。

自分で堆肥を作ると節約にもなり、さらに生ごみを減らせて地球環境にも優しい。
畑の土壌改良にもなります。
手作りの堆肥で元気な野菜を育て、美味しく食べる!
良いですね。
畑に石が多いなら、石灰や堆肥を使って土壌改良を行おう
まとめておきます。
畑に石が多いなら、まずはその石をしっかり取り除きましょう。
石があると、野菜の生長を妨げたり、元気がなくなってしまうデメリットがあります。
元気の良い野菜を育てるには、土づくりが基本です。
石が多い畑は、土壌改良をする必要があります。
「土壌改良に使う材料」
- 石灰
- 堆肥
- 腐葉土
堆肥を撒く前に石灰を撒いておきます。
石灰の種類によりますが、だいたい2週間期間を開けてから堆肥や腐葉土を撒きます。
堆肥や腐葉土は、栄養豊富でふかふかの土にしてくれます。
石灰も種類によりますが、土壌消毒や通気性をよくする効果があるので、土壌改良によく使われます。
おすすめの石灰は、期間を気にせず、石灰を撒いた後でもすぐに作物を植えることができる有機石灰です。

この石灰は私がよく使っている有機石灰です。
すぐに植えられるし、土壌改良にも適しているのでおすすめですよ!
石灰、腐葉土、堆肥をしっかり土に混ぜて、土壌改良をしていきましょう。
時間は掛かりますが、地道に行うのがポイントですよ。