家庭菜園をしていると、
「豆を育てた後の畑は、肥料を入れなくても野菜がよく育つ」
という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは偶然でも、迷信でもありません。
その理由は、豆類の根にできる「根粒菌(こんりゅうきん)」という微生物の働きにあります。
この記事では、
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緑肥とは何か
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なぜ豆を育てた後は肥料が少なくて済むのか
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根粒菌の正しい知識
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根を抜かずに残す「緑肥としての豆の使い方」
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初心者が失敗しないための注意点
を、事実に基づいて、分かりやすく解説します。
緑肥とは?

緑肥とは、作物を収穫せず、土を良くする目的で育てる植物のことです。
育てた植物をそのまま、またはすき込むことで、土壌改良を行います。
緑肥の主な目的は以下の通りです。
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土壌中の栄養バランスを整える
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土を柔らかくする
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微生物の活動を活発にする
中でも、豆科植物を使った緑肥は、家庭菜園でも取り入れやすく、効果が分かりやすい方法です。

緑肥のためにわざわざ緑肥となる植物を育てる場合もありますが、
家庭菜園での緑肥ならインゲンや枝豆、エンドウ豆などのマメ科の野菜を育てれば簡単に緑肥にできます。
豆を育てた後に肥料がいらないと言われる理由

その理由は「根粒菌」
豆類の根には、根粒菌と呼ばれる微生物が共生しています。
この根粒菌には、
空気中の窒素を植物が利用できる形に変える能力があります。
この働きを、窒素固定と呼びます。
窒素は野菜の成長に欠かせない栄養素
野菜が育つために必要な三大栄養素は、
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窒素(N)
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リン酸(P)
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カリウム(K)
この中でも窒素は、葉や茎の成長に特に重要です。
通常、窒素は肥料として土に補いますが、
豆科植物の場合は、根粒菌の働きによって、土壌中に窒素が蓄えられます。
そのため、
豆を育てた後の土は、次に植える野菜が育ちやすい
と言われているのです。

後で次に植える野菜も紹介するので、このまま読んでいって下さいね!
根粒菌はどこにある?

根粒菌は「根のコブ」の中にいる
根粒菌は、豆の根にできる小さなコブ状のふくらみ(根粒)の中に存在します。
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白〜薄茶色の根に丸いふくらみがある
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割ると中がピンク色の場合、活発に働いている状態
これは多くの農業・園芸分野で確認されている事実です。
根粒菌は抜くと失われる
ここで重要なのが、
豆を収穫後に、根ごと抜いてしまうと、根粒菌の効果が活かされない
という点です。
根粒菌は、
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根について存在する
-
地上部(ツルや葉)ではなく、地下部に集中している
ため、緑肥として活用する場合は「根を残す」ことが基本になります。
豆を緑肥として使う正しいやり方

豆類を緑肥として使う場合、以下の手順が基本です。
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豆を通常通り育てる
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収穫が終わったら、地上部だけをカット
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根は抜かず、そのまま土に残す
-
数週間〜1か月ほど置く
-
次の野菜を植える
この方法により、根粒菌が土壌中に残り、次作に活かされます。
なぜ根を残すだけでいいのか
根粒菌は、植物が枯れた後もすぐに消えるわけではありません。
根が土中で分解される過程で、固定された窒素が徐々に土に戻ります。
そのため、
-
無理に掘り起こす必要はない
-
肥料を追加しなくても、初期生育が良くなりやすい
というメリットがあります。

野菜の収穫が終わると、残った苗を引っこ抜いて除去して、その畝を耕し直して・・・と大変ですが、マメ科の野菜の場合はその作業が必要ないので手間も省けます。
緑肥に向いている豆類の例
家庭菜園で緑肥として使いやすい豆類には、以下があります。
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エンドウ豆
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ソラマメ
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インゲン豆
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小豆
これらはいずれも豆科植物で、根粒菌と共生します。
※品種や土壌条件によって効果に差が出ることはありますが、
「豆科である」という点が最も重要です。
緑肥を使うときの注意点

1. すぐに大量の窒素が供給されるわけではない
根粒菌による窒素供給は、
化学肥料のように即効性があるものではありません。
-
効果はゆっくり
-
土壌環境の改善が主目的
と考えるのが正しい理解です。
2. 土壌条件によって効果が変わる
根粒菌の働きは、
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極端に酸性・アルカリ性の土
-
極度に乾燥した土
では弱くなることが分かっています。
そのため、
-
極端に状態の悪い土では、効果が出にくい
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ある程度「普通の畑土」であることが前提
となります。
3. すべての野菜に万能ではない
豆後作は、
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葉物野菜
-
果菜類(トマト・ナスなど)
と相性が良い一方で、
窒素過多を嫌う野菜では、徒長の原因になることもあります。
緑肥は「万能」ではなく、
土作りの一手段として理解することが大切です。
緑肥は「肥料ゼロ」ではなく「肥料を減らせる方法」

よくある誤解として、
緑肥=肥料が一切いらない
と考えてしまうケースがありますが、
これは正確ではありません。
正しくは、
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肥料の量を減らせる
-
土壌環境を整え、野菜が育ちやすくなる
という位置づけです。
特に家庭菜園では、
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入れすぎによる失敗を防げる
-
自然に近い栽培ができる
という点で、大きなメリットがあります。
緑肥後に植えると相性の良い野菜とは?

豆類を緑肥として利用した後の土は、
窒素を中心とした土壌環境が整いやすい状態になります。
そのため、すべての野菜に同じように向いているわけではなく、
相性の良い野菜を選ぶことが重要です。
ここでは、豆の緑肥後に育てやすい野菜を、理由とともに紹介します。
緑肥後に相性が良い野菜① 葉物野菜

葉物野菜は、
-
葉や茎の成長に窒素を多く必要とする
-
生育期間が比較的短い
という特徴があります。
豆の緑肥後の土は、
即効性はないものの、窒素が徐々に供給される環境になるため、
葉物野菜と相性が良いとされています。
おすすめの葉物野菜
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小松菜
-
ほうれん草
-
チンゲン菜
-
レタス
-
水菜
これらは家庭菜園でも育てやすく、
緑肥の効果を実感しやすい野菜です。
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暑さにも寒さにも強い小松菜!
トンネル掛けにすれば、冬でも種蒔きができるよ❤
緑肥後に相性が良い野菜② 果菜類

トマトやナスなどの果菜類は、
-
生育初期に窒素を必要とする
-
ただし過剰な肥料は生育不良につながる
という特徴があります。
豆の緑肥後の土は、
肥料を大量に入れなくても、初期生育が安定しやすいため、
果菜類とも相性が良いとされています。
おすすめの果菜類
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トマト
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ナス
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ピーマン
-
ししとう
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オクラ
特に、
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元肥を控えめにしたい
-
肥料過多による失敗を避けたい
という初心者の方には、緑肥後の栽培が向いています。
ミニトマトは種から育てやすく、初心者にもおすすめです👇
緑肥後に相性が良い野菜③ きゅうり・かぼちゃなどのウリ科

ウリ科の野菜は、
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初期生育に窒素を必要とする
-
土壌環境が整っていると育ちやすい
という性質があります。
豆の根が残った土は、
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土が柔らかくなりやすい
-
微生物の活動が活発になりやすい
ため、ウリ科とも比較的相性が良いとされています。
代表的な野菜
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きゅうり
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かぼちゃ
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ズッキーニ
ただし、追肥が必要になる場合もあるため、
生育を見ながら調整することが前提です。
この中でおすすめは、きゅうり👇
特に地這えきゅうりは、支柱がいらないので後片付けも楽です❤
緑肥後に植えない方がいい野菜

同じマメ科の野菜を避けた方がいいです。
連作障害も起きるともいわれているため、マメ科を育てた場所で、同じ科の野菜を植えるのは避けましょう。
マメ科の後作として植えたらいい野菜と植えてはいけない野菜については、
こちらの記事にも書いているの参考にして下さい。

根野菜は植えない方がいい?
時々、大根やにんじんなどの根野菜は、緑肥には向かないというのを見かけることがあります。
それは、緑肥により窒素過多を起こし、根野菜にはあまり良くない、というものでした。
ですが、根野菜は、地中の中で育つものなので、根粒菌が多く含まれている土壌では育ちやすいと私は思っています。
これは、マメ科の野菜の後に種を蒔いて育てた大根です。

問題なく、大きく育ってますよね。
ここは個人の判断に任せますが、根野菜も緑肥で問題なく育てられると思っています。

時期的にもマメ科のあとは冬野菜がくるので、
私はいつも大根、あと白菜を育ててます。
緑肥後のおすすめ作付け例

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豆類を育てる(エンドウ・インゲンなど)
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収穫後、根を残して地上部のみカット
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葉物野菜を植える
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その後、果菜類へつなぐ
この順番にすることで、
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緑肥の効果を無駄にしにくい
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肥料トラブルが起きにくい
というメリットがあります。
緑肥で肥料を節約!元気な野菜を育てよう

最後に、この記事のポイントをまとめます。
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緑肥とは、土を良くするために育てる植物
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豆科植物は、根粒菌によって窒素を固定する
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根粒菌は根にあるため、根は抜かずに残す
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効果はゆっくりだが、土壌改善に役立つ
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肥料を「ゼロ」にするのではなく、「減らす」考え方が大切
豆を育てた後の畑を、
そのまま次の野菜につなげることができる緑肥は、
家庭菜園にとって非常に合理的な方法です。
無理なく、失敗しにくい土作りとして、
ぜひ取り入れてみてください。
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